市民農園

市民農園を探してみた(神奈川県秦野市)

市民農園を借りて、サツマイモの一種である安納芋を栽培してみようとおもいたち、神奈川県の市民農園を探してみました。

結果、丹沢山地にほど近い、はだの市(秦野市)の市民農園を借りることになりました。この記事では、はだの市民農園(さわやか農園)についてご紹介したいとおもいます。

かなりローカルで限られた情報になりますが、神奈川県で市民農園を探している方の参考になれば幸いです。

動機

市民農園にたどりついた理由は三点ほどあり、

  1. 生活が都市部・市街部に偏っている。そのせいか自然には一種の憧れがある
  2. おいしいとおもった、安納芋を栽培してみたい。サツマイモなら初心者でもできそう
  3. 自家用兼アマゾンフレックスに使っている軽バンは、農業に向いていそう

素人の考えといいますか、ほとんど思いつきの行動なのですが、潜在的な理由として、自然志向というほどではないものの、1がかなり以前からあったようにおもいます。

ふれあい農園はいいけれど

神奈川県には現在、2019年3月末の時点で879か所の市民農園が開設されています。次の神奈川県のページの、「県内の市民農園一覧」というリンク先にあるPDFで、市民農園の利用料金、区画面積や設備などの情報を確認できます。

市民農園名に、

ふれあい農園

と名前がつくところは、貸出農機具、給水施設、休憩所、トイレ、駐車場など利用しやすい設備がある農園が多いです。ただし、設備がある分、設備がない農園に比べると利用料金は高くなります。

設備が良いに越したことはなく、実際、私は最初、いくつかのふれあい農園の様子を見に行きました。ふれあい農園は至れりつくせりな環境だなと思いました。利用料金が高くなるのもわかります。

しかし、ごく個人的な感覚ですが、区画面積は狭く、小さい畑がひしめきあっており、ごちゃごちゃしているといいますか、集合住宅的な印象を受けました(もっとも、すべてのふれあい農園を見たわけではないので、印象が異なるふれあい農園もあるでしょう)。

なぜ私はこのような印象を持つのだろうか?と考えてみると、自然への憧れという私の動機のある部分は、都市生活での”密集”という状態や感覚から逃れたいという願望、なのかもしれません。

ふれあい農園は、私にとっては、ここではないな、という結論になりました。

はだの市の「さわやか農園」を選んだ理由

前述の「県内の市民農園一覧」を見るとおわかりのとおり、1区画の面積は30m2前後が多いです。5m四方くらいですね。その中で秦野市は、「さわやか農園」であれば、最低で100m2と、3~4倍あり、とても広い。

ちなみに「さわやか農園」 には「ふれあい農園」のような給水施設やトイレなどの設備はありませんが、そのかわり利用料金はとても安いです。

また、神奈川県の市区町村の多くは、市区町村の在住者以外に農園を貸し出していませんが、秦野市はOKです。

下見に、秦野市の堀山下や堀西、森戸に行きました。多少雲が多かったものの、丹沢の眺めがとてもよかったです。”密集”というキーワードから逃れられそうに感じました。

2月下旬、秦野市堀西付近の農園からみた丹沢山地。写真が下手でい眺望の素晴らしさが表れていませんね・・・

便利な設備がない分は自分でなんとかすることにして、そんなわけで、丹沢近くの「さわやか農園」を選ぶことにしました。利用料金は1年で6,000円です。ひと月あたり500円と、面積あたりでいえば神奈川県の市民農園で最安でしょう。

申し込み当日は、このあたりの管轄であるJAはだの西支所に出向きました。職員の方に、車で市民農園に案内してもらえました。当然なのかもしれませんが、利用料を考えると、車をだしてもらって恐縮な気持ちがしました。

市民農園は、JAはだの西支所から車で10分くらい。比較的近くに広大な県立戸川公園があります。また、公園には丹沢登山者むけのレストハウスが併設されています。

表丹沢の入り口、大倉登山口にある秦野戸川公園レストハウス。レストハウス右横に見えるのが公衆トイレ

 

戸川公園のランドマーク「風の吊り橋」。長さ267m、高さ35m。橋の下は水無川。眺めを犠牲にしても転落防止の柵はしっかり作った、この橋を歩いてみてそんな想像をしていました。

レストハウスには軽飲食の店「YAMA CAFE」や自販機、隣には公衆トイレが設置されています。また、登山者用に水場といいますか、手洗い場としても利用できる水道設備があります。耕作に必要な水は、その水場で調達して良いですよと職員の方に教えてもらいました。また、私が借りた農地は、すぐ横に駐車スペースもありました。

農園からレストハウスまで徒歩だと少々距離がありますが、車ですし、 望外でしたが 「ふれあい農園」のような設備がない不便さはかなり解消されたということになります。

鶴巻温泉

私にとっての、はだの市民農園の唯一のデメリットは、農園まで自宅から車で1時間くらいかかり、遠いことです。

しかし、近隣市街部の市民農園は人気であまり空きがないし、どのみち農園まで車で行くことになるなら多少時間をかけてもいいかなと思ったのでした。

私の場合、農園までの道の途中に、鶴巻温泉という秦野市の小さな温泉郷があります。農園の下見のとき、試しに、小田急線の鶴巻温泉駅のそばにある「弘法の里湯」という日帰り温泉に行ってみました(写真はこちらのページの方が良いです)。

清潔感がある施設で万人向けの温泉という感じでした。清潔感に加え、浴場も広く、露天風呂やサウナがあるところ、2階の大広間の休憩所が広々としているところが、私は気に入りました。温泉の存在で遠いというデメリットをだいぶうちけしてくれそうです。

弘法の里湯、2Fの大広間。平日の夕方のためか大広間はこのとおりガラガラ、長風呂の直後とあっては気分良く寝てしまいそうでした。とはいえ、温泉の方は閑散としているわけではなく、お客さんは多く、盛況でした

私の本業はフリーのIT業ですが、月の半分くらいの稼働にしており、あとは別カテゴリでご紹介しているように、アマゾンフレックスを少しやるくらい。時間に都合をつけやすい生活のため、幸いにして平日も市民農園に行くことが可能です。土日祝日しか農園に行けない立場であれば、たぶん、はだの市民農園は選ばなかった気がします。

ただし、今の状況でも、サツマイモだからいいようなものの、手が掛かる農作物は無理だとおもっています。

市民農園の状況

はだの市の市民農園は、十年くらい前は、空き待ちの方がいるくらい人気があったそうです。しかし、現在では、利用者は急減しており、市民農園の空きは多い状況です。選び放題な感じで、私としては都合がよかったですが。

なんなら、2、3区間まとめてどうですか?といわれた市民農園さえありました。面積にすると、このあたりは、200m2、300m2 ということになりますので、入門者・初心者の私では、さすがに無理そうで、自重して1区画だけ借りることにしました。

夏季には雑草がものすごい勢いで増殖し、空き農園の雑草の始末はJAの職員の方がするそうで、これがなかなか大変とのこと。市民農園といってもこのあたりは広いですからね。このような事情もあって、安い利用料でも借り手がいるほうが良いようです。

ちなみに、基本的には、市民農園は3月から1年間の契約ですが、秦野市の市民農園は、空きが多いため、4月以降でも借りることができます。その場合は、利用料金は月割りで減額してもらえます。

獣害

現在、秦野市に建設中の新東名高速道路の工事が始まってから、工事が丹沢のイノシシの生息環境に大きく影響したため、イノシシが食べ物をもとめて市民農園の作物を荒らすことが多くなったそうです。利用者減少の一因かもしれません。

イノシシの他にも、シカやハクビジンなど、いろいろな獣が畑の作物を狙ってくるので、 丹沢山地のふもとにある、はだの市民農園では防獣ネットなど獣害対策が必須であることを教えてもらいました。

私がそだてようと予定しているサツマイモは、イノシシの大好物とのこと。収穫まじかで食べられてしまったら、がっくりくるでしょうね。

実際に、イノシシで荒らされた空き農園を見せてもらいましたが、ここまで!?、というくらい地面が波状にボコボコにされており、そのパワーの凄まじさが想像できました。もしものときは、地元猟友会が、”さしとめて”くれるとのことです。

レストハウスのお隣にあるビジターセンターのクマのはく製。数は大変少ないですが丹沢山中にはツキノワグマもいるらしいです

放置される理由

残念ながら、農地を借りたものの、放置ししてしまう方も少なくないようです。

年間6,000円、ひと月あたり500円ですから、利用料金はとても安いです。しかし、かえってそれが理由で、つまり放置しても損が小さいので、やっぱり農園は作業がめんどくさいと思った人が、農園を借りたまま手入れもせず放置しやすいのではないか、職員の方からそう聞きました。

放置された農園は、当然のことながら夏季には雑草が生え放題。利用中の農地でもJAの方の負担となるわけで、私も、放置したりしないように覚悟をもって農園を借りようと思った次第です。

農園の住所とアクセス

JAの職員に案内してもらうほうが良いですが、もし農園を直接下見に行こうとする場合、秦野のようなところは、住所だけでは、グーグルマップやヤフーカーナビで農地にたどり着けないことが多いです。

私は、アマゾンフレックスをやる関係で、ゼンリンの住宅地図アプリを有料使用していますし、普通の人よりは住所で目的地を探す苦労をしてきた経験もありますが、住所で農地を探すというのは難しいものだと思いました。

“JAはだのーはだのの農業”のページの「さわやか農園リスト」という項目に農園のリストがあります。

このリストの「貸付農地住所」という項目はクリックでき、クリックすると、グーグルマップ上で、農地の位置にピンを立ててくれます。

直接行く場合は、これを使うのが良いでしょう。ところで、マップをみると住所ではなく、緯度経度の情報をグーグルマップに送っているようです。わかりづらいはずです。

ヒル(蛭)

余談になりますが、近年、丹沢山地はシカが媒介するヒルが増殖しているらしいので、ヒルのことについて職員の方に伺ってみますと、確かにヒルには困っており、ハイカーや登山者が、とりついたヒルを小田急線で新宿まで持ち帰ってしまうこともあるといっていました。

主だった山道に駆除薬を散布してはいるものの、実際のところ、広大な丹沢山地すべてに散布するのは不可能なので、ヒルを減らすのは難しいですね、とのこと。あと、農園のあたりにも、少ないですがヒルはいますよ、と言っていました。

せっかくなので、丹沢にも少し登ってみたいとおもっていたのですが、夏季に登るならヒルには相当注意する必要がありそうです。ヒルの唾液の麻酔成分で痛くはないですが、他人がギョッとするほど出血しますしね。

まとめ

神奈川県秦野市の市民農園「さわやか農園」についてのポイントをまとめます。ただし、JA西支所管轄の市民農園についての情報です。

  • 現在、市民農園の空きが多い
  • 1区画の面積が広く、「さわやか農園」の利用料金は格安
  • 丹沢山地の眺めがとてもよい
  • イノシシやシカなどによる獣害への対策は必須

はじめての家庭菜園を、ややワイルドな環境で始めることになりました。サツマイモは5月中旬に苗を植え付け、獣の餌にならなければ、10月下旬に収穫となるはずです。美味い安納芋が食べられたら成功。

4月から防獣ネットの設置などを始めて、約半年間の作業です。おそらく、ド素人が実際にやってみると、サツマイモひとつそだてるにも、いろいろな苦労があり、根気や勉強が必要なことでしょう。

その過程について、今後何回かにわけて、初心者なりにご紹介できればとおもいます。その記事が、これから家庭菜園をはじめたいという方の参考になればなによりです。